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新型コロナウイルス感染に関する公式声明

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

ウイルスとの共存には、これまでの生活習慣の見直しと改善、そして「健康な集団免疫の獲得」が鍵となるでしょう。

本稿は、国際オーソモレキュラー医学会(カナダ本部)にて発表された新型コロナウイルス感染症に関する公式文書を和訳したものです。

 

国際オーソモレキュラー医学会会員ならびに関係者の皆様へ

2019年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は世界中に感染が拡がるパンデミックとなり、私たちの生活は劇的に変化しました。パンデミックが始まった20201月以来、国際オーソモレキュラー医学会(ISOM)とオーソモレキュラー医学ニュースサービス(OMNS)は、栄養療法による新型コロナウイルス感染症の予防と治療に関する情報を医療専門家と一般市民に提供してきました(1,2)

私たちは「うがい・手洗い・ソーシャルディスタンス」に加えて、積極的なオーソモレキュラー栄養療法の導入を新型コロナウイルス感染症の予防法として推奨してきました。さらに新型コロナウイルスに感染した場合には、従来の治療法に加えて、高用量ビタミンC点滴療法を推奨しました。 最近になって、多くの臨床成績が報告され、様々な関連する臨床試験が多くの国で行われています。 

新型コロナウイルス感染の流行から5か月が経過し、その間に私たちは多くの経験と学びを積み重ねてきました。 これを元に、私たちには「次の時代を見越した行動」が必要となります。残念ながら、新型コロナウイルスが地球上から永遠に葬り去られることはないでしょう。この戦いは長期化し、最終的には新型コロナウイルスやその他の新しいウイルスと共存する必要があります。

保健当局、政府、産業界は、ワクチンや抗ウイルス薬の開発に莫大な資金を投資しています。これらの治療法の開発と臨床試験の実施は、最終的には有効性および安全性を揺るがす可能性も否定できません。特に、集団におけるウイルス変異と遺伝的差異は、単一でのワクチンや抗ウイルス薬の治療薬としての可能性の損失に繋がる可能性があります。

<写真>左より、今回学会公式声明を執筆した柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)、ガート・E・シュイットメーカー(同学会前会長)、スティーブン・J・カーター(同学会事務局長)

国際オーソモレキュラー医学会(以後、ISOMと表記)では「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」こそ、私たちが進むべき道であると確信しています。パンデミック中およびパンデミック後の健康管理は私たちの健康維持のための鍵となります。

生活習慣の見直し、最適な食事・運動・睡眠に加えて、良好なメンタルヘルス、ウイルス感染を防ぐために必要な栄養素(ビタミンC、ビタミンD、亜鉛、セレン、マグネシウムなど)の摂取により、人々は良好で健康的な免疫システムを獲得します。このコミュニティでは、新型コロナウイルスに感染したとしても、無症状あるいは軽度の症状でおさまるでしょう。

そして、同コミュニティの人々は、免疫力が低下している高齢者や病気にかかっている人々を囲み、保護することができます。これが「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」です。「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」は新型コロナウイルス感染だけでなく、新しいウイルスの出現によって引き起こされた新たなパンデミックにも効果的です。この戦略は現実的かつ実用的であり、今すぐ始められます。何よりも安全で安価に行うことが可能です。

新時代のオーソモレキュラー医学は今、舵を切ったと言えるでしょう。ISOMと関連医学会会員は「健康なコミュニティにおける集団免疫の獲得」をスローガンに、コミュニティのさらなる健康維持を推進します。

 

 最適な栄養こそ未来の薬である-(ライナス・ポーリング)



2020年6月5日
国際オーソモレキュラー医学会 会長 柳澤 厚生
国際オーソモレキュラー医学会 前会長 ガート・E・シュイットメーカー
国際オーソモレキュラー医学会 事務局長 スティーブン・J・カーター
(1) https://isom.ca/covid-19-resources/  
(2) http://orthomolecular.org/resources/omns/v16n29.shtml





<参考文献>

柳澤 厚生 (ヤナギサワ アツオ)先生の関連動画

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