「何だか疲れやすいんです」「動悸があります」「寝起きがよくありません」などなど…どれも外来ではよく聞く症状です。本当は鉄不足が原因の不調なのに、一般的な検査を受けても特に異常が見つからないために不定愁訴とされてしまうこともしばしばあります。
今回は、この「隠れ貧血」について考えてみましょう。

厚生労働省が公表している平成29年「国民健康・栄養調査」によると、日本人女性は食事摂取基準と比較し、鉄の摂取不足が指摘されています。ダイエット中の女性、妊婦、アスリート、成長期の女子は特に鉄分の摂取量を増やさなくてはなりません。摂取不足に加え、毎月の月経量が多い女性は体から失われる鉄分も多くなるので、必然的に鉄不足になってしまうことは想像に難くはありません。健康診断では貧血と診断されるには至らないものの、体の中の鉄の貯金が減っていることで体調不良を訴えることが知られています。これが「隠れ貧血」です。

では、隠れ貧血を防ぐためにはどうしたらよいのか？答えは簡単です。鉄の補給です。食材のみからの摂取は、なかなか難しいかと思います。ですので、医薬品またはサプリメントでの補給がおすすめです。自分自身に必要な鉄を摂取し、心身ともに健康な毎日を過ごしましょう。