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オーソモレキュラー医学ニュースサービスー日本語版

国際版編集主幹Andrew W. Saul, Ph.D. (USA)
日本語版監修柳澤 厚生(国際オーソモレキュラー医学会会長)
溝口 徹(みぞぐちクリニック)
姫野 友美(ひめのともみクリニック)
北原 健(日本オーソモレキュラー医学会理事)
翻訳協力Wismettacフーズ株式会社ナチュメディカ事業G

* 国際オーソモレキュラー医学会ニュース<日本語版>は自由に引用・配信ができます。引用の際は必ず引用元「国際オーソモレキュラー医学会ニュース」とURL(https://isom-japan.org/)を記載してください。

オーソモレキュラー療法によるヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン副作用の治療

執筆者: 柳澤厚生 MD,PhD

(OMNS May 7, 2015)子宮頸がんと体がんを予防する目的で、思春期の女子にヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン接種が導入されている。2006年にガーダシル(メルク社)がHPVワクチンとして初めて認可され、2007年には2番目のHPVワクチンとしてサーバリクス(GSK社)が認可された。2013年末までにガーダシルは1億3000万回、サーバリクスは4400万回の接種が世界中で行われた。2010年には日本でも女子を対象にワクチン接種が広く導入された。
2013年4月、日本は2種類のHPVワクチンを政府推奨の定期接種プログラムに加えることを決定した。この新しい法律は4月1日に施行された。

副作用の高い発生

2013年6月、法律施行2ヶ月後に政府は推奨を取り下げた。最新の報告によれば、ガーダシルとサーバリクスの副作用発現は他の定期接種ワクチンと比較して1.7倍から3.6倍も高かったのである。政府特別委員会はHPVワクチン被害者2,500人中617人(25%)が重篤であると報告した。

驚くべきことに、日本の専門委員会は、次のようにコメントした:
“我々はワクチンを接種された少女たちに現れた副反応と呼ばれているものの身体的病因を見つけることはできなかったことより、何か特別な治療を推奨することはできない。我々はこれらいわゆる副反応と呼ばれる症状は心因反応であると言わざるを得ない。政府は少女たちの心因反応を改善させるために、カウンセリングを受けられる対策をすべきである。

深刻な副作用

他の健康専門家がそれらのケースを再評価した時には、彼らは1,112 (44%)を重大であると決定していた。最初に兆候が始まったのは、HPVワクチンが投与された1年後に何週間か起こった。それらは以下の症状を含むものだった:頭痛、めまい、筋力低下と苦痛、吐き気、睡眠過剰、学習障害、書字障害、光線恐怖症、腕・足・指の振戦、生理不順、歩行障害、記憶障害、皮疹・にきび。

HPVワクチン副作用の少女たちにつけられた様々な臨床診断名

1.高次脳機能障害
2.ギランバレー症候群
3.多発性硬化症
4.ADEM:急性散在性脳脊髄炎
5.SSPE:亜急性硬化性汎脳炎
6.CRPS:複合性局所性疼痛症候群
7.POTS:体位性頻脈症候群
8.抗リン脂質抗体症候群
9.SLE:全身性紅斑性狼瘡
10.リューマチ性関節炎
11.慢性疲労症候群
12.線維筋痛症
13.クッシング症候群(コルチゾルのハイレベルへの露出)
14.橋本病(甲状腺を攻撃する免疫系疾患)
15.高プロラクチン血症(高いプロラクチンが乳房発達と乳分泌を引き起こす)

検査所見

1.一般生化学検査:正常
2.血液検査で炎症所見なし
3.髄液の炎症性サイトカイン上昇(IL-2,IL-10,TNF-α)
4.脳血流シンチグラフィーで血流低下所見あり
5.白血球のアルミニウムに対する感受性亢進

HPVワクチンは有毒なアルミニウムを含む

HPVワクチンには強力なアジュバントとして非結晶性水酸化硫酸アルミニウム(AAHS) が含まれている。
最新の研究によれば、抗原増強剤としてのアルミニウムはヒトや動物に炎症性神経疾患や自己免疫疾患を強力に引き起こすことが指摘されている。
例えば、最近の研究論文によれば、このアルミニウムアジュバントなどのナノ素材が最初に、免疫系細胞によって血液、リンパ節に運ばれ、場合によっては脾臓および脳に侵入する可能性を示した。[1] 全身に渡るこのタイプの有害物質の運搬は潜在的に命にかかわる。脳の兆候はしばしばもっとも遅延が見られる。それは、アルミニウムが血液によって血液脳関門を通り、脳に移行するのに時間がかかるためである。
アルミミニウムは神経毒性があり脳に蓄積する。神経シナプスのドパミンと 5-HTP の取込みを阻害する。アルツハイマー病はアルミニウムの毒性と関連が知られており、またパーキンソン病の症状と関連するかもしれない。腎透析患者の認知障害はアルミニウムと関連し、記憶の喪失、協同運動消失、意識混乱、オリエンテーションの障害などを引き起こす。アルミニウムの影響で、ウサギは記憶の維持困難や学習障害を生じる。

HPVワクチン副作用への効果的な治療

プロトコル:1 点滴療法によるビタミンC、グルタチオンカクテル(Dr.柳澤 日本による)

蒸留水  250ml
ビタミンC 12.5g-25g
グルタチオン 800 - 1,200mg
0.5 M 硫酸マグネシウム10-20ml
8.5% グルコン酸カルシウム2ml
複合ビタミンB (B1, B2, B3, B5, B6, B12)

療歴:17歳、女性。
2014年5月23日。彼女がクリニックを訪問した時には、彼女はアシスタントなしで歩くことができなかった。彼女は、疲労感、関節痛、および頻繁な振戦を訴えていた。 点滴療法にてVCG(ビタミンC 12.5gおよびグルタチオン1200mg)を含むマイヤーズカクテルおよび経口栄養サプリメント(ビタミンC、ビタミンB、クルクミン、同じなど)で治療をした。ビタミンCとグルタチオン療法を行った10日後に、彼女はアシスタントなしで歩くことができた。2014年12月までに、彼女はテニスができるまでに回復した。不本意な振戦の頻度と期間は減少し、疲労と苦痛はドラマチックに減少した。

プロトコル2:点滴療法によるビタミンC、グルタチオン&EDTA (Dr.Claus hancke デンマーク)

5% ブドウ糖250 ml
ビタミンC(500mg/ml) 50ml(25g)
Na2-EDTA (150mg/ml) 10ml(1.5g)
8.4% 炭酸水素ナトリウム 10 ml
硫酸Mg  2mmlo/ml 4 ml
*点滴終了直前に下記を追加
グルタチオン 150mg/ml 4 ml(600 mg)

プロトコル3:リン脂質強化療法&グルタチオン点滴 (Dr.Damien Downing イギリス)

この膜組織を安定化させるプロトコルは、有毒物質による緊急事態に麻酔専門医が使う脂質の救助のために密接に監視されたバージョンである。すべての点滴療法と同様、完全なトレーニングを行うべきである。
ホスファチジルコリン(脂質内または必須のみだけ)1,250mgプラス
ロイコボリン(ホリニン酸酸)10mgプラス
グルタチオン1,000mgプラス

プロトコル4:経口サプリメント (Dr. Claus Hancke デンマーク and Dr.柳澤 日本)

マルチビタミン・ミネラル 2,3回/日(1錠/日から徐々に6錠/日までに増やす)
EPA/DHA/GLA 2×3用量/日
ビタミンD(1,500IU1×3
クエン酸マグネシウム 1×2
ビタミンC, 750mg 2×2
ビタミンB群 1×2
チアミン(B1), 300mg 1×1
プロバイオティクス 1×2
ターメリック 1×2
α-リポ酸 300mg 1×2
コエンザイムQ10, 100mg 1×1
S-アデノシルメチオニン(SAMe) 400mg/日
MTHF5-メチルテトラヒドロ葉酸(MTHF) 5mg/日

プロトコル5:食事の基本 (Dr. Claus Hancke デンマーク)

魚、白砂糖、小麦、牛乳を除外したアルカリ食。
食から化学物質やアルミニウムを入れない (例:食卓塩はアルミニウムを含有)。
もっともっと青野菜、ナッツ、ベリー類を食べる。
オリーブオイル、ココナッツオイル、オーガニック・バターのような健康的な油を摂る。
コーヒーより紅茶. お酒とタバコはなし。
身体をよりアルカリにするために、おさじ1杯の重曹とレモンジュースをコップ1杯の水に溶かしたものを1日3?4回飲む。

その他治療オプション

1.フェレル酸;記憶障害、学習障害
2.低容量テオフィリン療法;頭痛 50-100mgを朝食前に投与
(症例によっては劇的に頭痛が改善する)
3.低容量ナルトレキソン (LDN);過眠,頭痛3mgを就寝前に投与
4.関節痛のサプリメント;関節痛,歩行障害,幹細胞再生と改善

要約

HPVワクチンの副作用患者を見る限り、症候とそれが現れる時期は個々の患者によって多様である。これらの症候は我々が過去の臨床で経験したものとは明らかに異なっている。残念ながら、これまで政府も医学界もこの問題に正面を向いて対処してこなかった。これらの患者に対するオーソモレキュラー医学による治療はいくつかのケースにおいて有効かもしれないが、いつでも患者を適正に、正しい状態に戻すわけではない。効果的な治療プログラムを確立するためにも、医学者と臨床医は共に協力しなければならない。
HPVワクチン後遺症は接種後数ヶ月、時には1年以上して発症する。この発症の遅れは、この症状をワクチン接種の副作用と結びつけることを困難にしている。現在、日本では1,200人以上の少女が重篤な副作用例として登録されている。そして今でも新しい患者が毎日、新規に登録されている。我々は未登録の軽症?中等症のHPVワクチン副作用の少女が100,000人以上いるだろうと推測している。ワクチン副作用の症状である倦怠感、筋肉痛、頭痛、学習障害、起床困難、過眠、生理不順などはこの年齢の若い少女にはごく当たり前にみられる症状だからです。
医師は、HPVワクチン副作用について気に留めてかなければならない。あいにく、HPVワクチンが子宮頸がん予防の有効性についての証拠は全然ない。従って、私は医師として私の意見として、私達はこの有害なHPVワクチンをできるだけ早くやめるべきであると考える。

謝辞

私はこの投稿にあたり大変ご協力いただいた、英国環境生物医学会会長Damien Downing博士、およびデンマークオーソモレキュラー医学会Claus Hancke博士に感謝する。
(柳澤厚生博士は、日本点滴療法研究会の会長である。以前は杏林大学保健学部救急救命学科において臨床心臓病学の教授であった。柳澤博士は英語、日本語併せて140もの科学誌に掲載された論文の著者であり、多くの本も出版している。
このOMNSは、2015年にトロントで行われたOrthomolecular Medicine Todday conferenceでの柳澤博士のプレゼンテーション短縮バージョンである?http://www.orthomed.org/omt/omt.html

References

1. Khan Z, Combadiere C, Authier F-J et al. Slow CCL2-dependent translocation of biopersistent particles from muscle to brain. BMC Medicine 2013, 11:99. DOI: 10.1186/1741-7015-11-99.
Video providing case history:?https://www.youtube.com/watch?v=GO2i-r39hok

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