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お酒の上手な楽しみ方【前編】

筆者はお酒を飲むのが好きです。前回は「お酒とナイアシン」についてお話しし、ナイアシンの摂取により飲酒欲求が減る感覚を身を以て体感しました。と言ってもお酒は今でも飲んでいます。今のところお酒を完全に断つ予定もありません。

そのため、不謹慎ながら、いかに上手くお酒と付き合っていくかを考える上で「お酒を飲み過ぎてもどうにか翌日快適に過ごせないものか」と思案を巡らせました。その結果、以前よりアルコールに強くなりましたし、よりお酒を楽しめるようになりました。何故、若い頃よりたくさん飲んでも平気になったのか?その理由を自分なりに考えてみると、大きく分けて以下の3点が浮かびました。

①腸管の健全化
②アルコール代謝で消費される栄養素の補充
③肝臓での解毒能力をさらに高める

前編となる今回は、①腸管の健全化 についてお話しします。

お酒との付き合い方その1:腸管の健全化

若かりし頃の私の腸内環境は、決して良い状態ではありませんでした。ある時突然、背中一面にブツブツと大人ニキビが出始めたのです。25歳の頃でした。皮膚科を受診しても原因はわからず、いつまで経っても大人ニキビはなくならないまま、いつしか自分の中で大きなコンプレックスとなっていきました。

そして30代前半になると、時々コールタールのような便が出るようになりました。当時はビールを1ℓでも飲もうものなら、ひどい倦怠感に襲われて翌日顔色が悪くなることもありました。その後、毎朝の青汁習慣のおかげか便の性状は幾分改善しましたが、日によって下痢気味だったり便秘気味だったりと、“安定したお通じ”とはとても言えない状態でした。

40代に入り、大腸内視鏡検査を受けたところ、主治医の先生に「ベトベト腸」と言われ、その原因が炭水化物の摂り過ぎと言われた時は衝撃を受けたことを今でも覚えています。私は20代前半の頃、趣味レベルではありましたがトライアスロンをやっていました。現在の正しい栄養学的知識の乏しかったその時の私は、「カーボローディング」(トレーニングや大会前などのエネルギー補給として、糖質を通常時よりも多く詰め込む食事法)と称して、大量の炭水化物、特に小麦粉を摂っていました。

さらに思い返してみると、当時は動物性タンパク質や野菜(食物繊維)の摂取量は多くなく、お酒もビールばかり飲んでいました。こうした食傾向は、その後も大きく変わることなくしばらく続きました。前述の大腸内視鏡検査後に食事指導を受けてからは、それまで頻繁に食べていたラーメンを控え、その代わり野菜を多く食べるよう心がけました。定期的に運動も行うようにしました。すると、30代前半から徐々に太り始めた身体が再び引き締まり始めたのです。

そして今から4年半ほど前、ある一冊の本との出会いがありました。『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』という本です。この本を読み、バターコーヒーを用いた間欠的ファスティングを実行したところ、信じられないほどの体調の改善を体感しました。まずはじめの自覚症状としては、頭にモヤがかかったような感覚がなくなり、思考がクリアになりました。身体もさらに引き締まり、同時に20年近く悩まされ続けたあの“背中の大人ニキビ”がだんだんと消えていきました。

推測するに、あの頃の私はおそらくリーキーガットだったのでしょう。リーキーガットの場合、小腸粘膜の上皮細胞間のタイトジャンクションが緩み、本来体内に入るはずのない物質や未消化のタンパク質が入り込んできます。それらは肝臓で処理されますが、それは要するに「食事毎に肝臓へ負荷がかかっていた」ということです。そんな状態でアルコールを摂取しようものなら、アルコール解毒のために肝臓への負担がますます増加するのは容易に想像がつきます。

20年間近く悩まされた大人ニキビも肝臓で処理し切れない毒素が皮膚に反映されたのか、それとも自己の免疫システムに不具合が起きていたのかは定かではありませんが、当時の悪化した腸内環境と決して無関係ではないでしょう。

バターコーヒーを用いた間欠的ファスティングの実践の結果、精製糖質の摂取量は激減しました。さらにその間は小麦粉を一切食べなくなったので、私は図らずもグルテンフリー生活を送っていたことになります。背中のブツブツが出なくなってくると、お酒を飲んだ翌日に疲労感を覚えることも自然と減っていきました。これはリーキーガットが改善し、普段の肝臓の負担が減ったおかげなのではと思っています。

この20年にも及ぶ苦い経験により、今では腸管が健全であることの大切さを痛感しています。



※お酒の上手な楽しみ方【後編】は11月27日(金)に配信いたします。お楽しみに!

※『お酒の上手な楽しみ方』は著者の体験に基づいた記事となります。効果については個人差があるため、サプリメント・点滴療法をご希望の方はオーソモレキュラー療法を実施している医療機関にてご相談されることを推奨いたします。実施医療機関はこちらより検索可能です。是非ご活用ください。




<参考文献>

  • 『シリコンバレー式 自分を変える最強の食事』(デイヴ・アスプリー著,ダイヤモンド社,2015)
  • 『「いつものパン」があなたを殺す:脳を一生、老化させない食事』(デイビッド・パールマター、クリスティン・ロバーグ著,三笠書房,2015)
  • 『「腸の力」であなたは変わる:一生病気にならない、脳と体が強くなる食事法』(デイビッド・パールマター、クリスティン・ロバーグ著,三笠書房,2016)
  • 『リーキーガット症候群:あなたのその不調の原因は腸の“漏れ”にあった! 』(トンプソン真理子著,Amazon Service International, Inc.,2015)
  • 『奇跡を起こす点滴でアンチエイジングーハリウッドセレブの間で大流行!ー』(柳澤厚生,主婦の友社,2017)
  • 『グルタチオン点滴でパーキンソン病を治す』(柳澤厚生,株式会社 G.B.,2014)
  • 『オゾン療法 第2版ー臨床の立場からー 』(ベリオ・ボッチ著,渡井 健男訳,丸善出版,2017)
  • Mechanisms of Action Involved in Ozone Therapy: Is healing induced via a mild oxidative stress?https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3298518/

 

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