亜鉛はどのような働きをするのでしょうか。
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コロナ対策・摂りたい栄養素(3)亜鉛
亜鉛は体内に2~4g存在しています(※成人の場合)。たんぱく質やDHAなどの全ての集合体の合成に関わっていて、新しい細胞の生成、正常な成長、性的な成熟に欠かせません。新陳代謝の活発な骨や筋肉に多く、肌、爪、網膜、精巣にも高い濃度で存在しています。
亜鉛の役割
免疫細胞の活性化
亜鉛には、免疫細胞の働きを活性化させる作用があります。また活性酸素による害を減らすのに役立ちます。そのため、生活習慣病などからからだを守ります。粘膜の健康を保つビタミンAを体内に留める働きもあり、下記症状の改善が期待できます。
- 喉の痛み
- 鼻水・鼻づまり
生殖機能の維持
アメリカでは別名「セックスミネラル」と呼ばれるほど、亜鉛と生殖機能には深い関係があります。前立腺や精子に多く存在し、精力に関係する男性ホルモン テストステロンの合成に関与する酵素の組成にも関わります。
さらに、女性ホルモンにも正しく機能するために欠かせない栄養素です。亜鉛の摂取量が不足すると生理痛や生理不順をさらに招く可能性があります。
頭皮の健康維持
亜鉛には抜け毛の最大の原因である活性型男性ホルモンを作り出す、「5-αリダクターゼ」という酵素を阻害する働きがあります。さらに細胞の再生を促す作用もあるので、毛を作り出す毛母細胞の増殖を促進します。
亜鉛を多く含む食品
亜鉛は魚介、肉、乾燥、野菜、豆腐などに含まれ、特にカキはよい供給源です。植物性食品に多い食物繊維やフィチン酸、加工食品に添加されるポリリン酸などは亜鉛の吸収を妨げるので、特定の食品に偏らないようにバランスの取れた食事を心がけましょう。また、アルコールを摂りすぎると亜鉛の排泄量が増加するので、注意が必要です。
- カキ むき身(50g):6.6mg
- ウナギのかば焼き(100g):2.7mg
- 豚 レバー(50g): 3.5mg
- 小麦胚芽(10g):1.6mg など
(参考:中村丁次監修『栄養の基本がわかる図解辞典』,成美堂出版)
亜鉛が不足すると?
偏食や加工食品に頼りすぎると亜鉛不足に陥ります。亜鉛不足の症状の一つとしては、味覚障害になるおそれがあります。舌を中心に「味蕾」という味を感じる細胞の集合体が存在しています。新陳代謝が活発で10~20日のサイクルで次々と新しい細胞へと入れ替わっていきます。その味蕾の中にはたくさんの亜鉛が含まれているため、亜鉛が不足すると新しい細胞が入れ替わらず、味覚障害が起こってしまうのです。
味覚障害と亜鉛
食べ物の味を感じなくなる「味覚障害」は、内蔵系の病気や薬の副作用によっても起こりますが、アンバランスな食習慣により亜鉛不足に陥っている人にも起こる可能性があります。加工食品には亜鉛の吸収を阻害するポリリン酸などの食品添加物が多用されていることから、コンビニやファーストフードばかりを利用している若い世代の間で味覚障害が広がっていると言われています。
<参考ウェブサイト>
- ビタミンミネラル情報局内『亜鉛』より抜粋・一部改変http://vitamin-mineral-jk.natumedica.jp/archives/257
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