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ガンのNosuke、此処に参る【後編】

対談インタビュー:Nosuke×柳澤 厚生

この記事の執筆者

SPIC Clinic

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会代表理事。スピッククリニック名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育セン ... [続きを見る]

2018年11月に「精巣ガン」と診断されたロックバンド・HighsidEのドラマー Nosukeさん。

彼がどのような経緯で診断を受け治療を行っているのか、どのような思いを持たれているのか、直接お話を伺う機会をいただきました。柳澤 厚生との対談、前後編でお届けいたします。

<画像>Nosukeさん(左)と柳澤 厚生(右)

CTC検査を受けて

柳澤:ビタミンC点滴はどのような経緯で始められたのですか。

Nosuke:きっかけはCTC検査でした。CTC検査については、決して受けやすい金額とは言えないため、金額を初めて聞いた時、「うわ・・・」と思ったのが正直なところでした。そんな僕に対し、義理の姉は「命には代えられないんだから!」と背中を押してくれたのです。その言葉で意を決し、検査を受けました。

ビタミンC点滴、サプリメント療法の実践

Nosuke:検査結果は1ヶ月ほどで出ました。松山先生はその項目毎の説明を丁寧にしてくれました。同時に、僕の体の状態に合わせたサプリメントなども教えていただきました。その中の一つが「ビタミンC点滴」です。自分では「サルベストロール」「CBD」についても調べていました。そのことをお伝えした上で、サルベストロールを取り寄せてもらったりもしました。当然ですが、サプリメントは薬とは違います。“使って即効果が出る”ものではないので、今はただ「改善を目指して治療中」としかお伝えできませんが、変化を把握するためにももう一度CTC検査を受けようと思っています。

柳澤:今お顔を拝見していると顔色が明るい印象を受けますが、ビタミンC点滴を始めてから「これまでと違う」と感じることはありますか?

Nosuke:1年間ずっと体調の悪い状態が続いていました。そんな中、抗がん剤を始めて痛みはほとんどなくなりました。この痛みがないだけでも、体感はかなり楽になりました。その後、ビタミンCと一緒に多くのサプリメントを飲み始めたのですが、まず感じたのは寝起きが良くなったことです。入眠しやすくなったのもありますし、朝も眠気を引きずることなく起きられるようになりました。

ですが、同時期にタバコも止めているので、一体何がどう作用しているかは正直わかりません。ただ、学生時代のようにご飯もたくさん食べられるようになりました。実はここ最近、調子が良いか悪いかで言うとあまり良いとは言えない状態ですが、それでも顔色が良く見えるというのはビタミンC点滴のおかげなのかもしれません。

食習慣の改善

柳澤:普段生活している中で、食習慣など何か気をつけていることはありますか?

Nosuke:糖質制限は行っています。元々は生粋のラーメン好きなのですが、今では野菜・鶏肉・魚メインの食生活を心がけています。あと、松山先生に「19時以降は取らないでね」と言われているので、なるべくその時間帯には取らないようにしています。お菓子やジュースといったものに関して言えば、ここ1年ほどは一切口にしていません。糖質の影響については以前から多少学んでいたこともあり、手術後にブドウ糖を点滴されている時、思わず「これって大丈夫ですか?」と聞いてしまったことがありました。それも3回ほど。

柳澤:私たちは医学部で栄養療法という分野は勉強しませんからね。ちなみに食事や食材について心がけていることはありますか?

Nosuke:コンビニのものは食べないようにしています。それなら吉野家に行こう、というスタンスです。摂ったら良くない添加物、取っても問題ない添加物があるかと思いますが、その辺りの見極めが大切だと感じます。日頃から消化・分解する機能を高める食事を心がけていれば、たまにはマックに行ってもいいじゃない、と。自分としては「絶対食べたらダメ」というストレスよりも、食べても大丈夫な体を作ろう、という意識でいます。

柳澤:今のお話を聞いて「なるほど」と思ったのが、最近調理したものを選んでいるという点です。調理時期がわかる料理を食べるというのは、とても良い心がけですね。

ガンと細菌感染は似ている?

柳澤:ガンは細菌感染と似たようなものだと考えています。例えば、細菌が入って発熱した場合、病院に行くと抗生物質を処方されますよね。この場合の発熱は、本来自分で抑えられる量より細菌が増殖したことで生じます。そのため、抗生物質によって細菌を排除していくのですが、ゼロにはなりません。最後ゼロにする役割を担っているのは、抗生物質ではなく、自分の力です。ガンについても抗がん剤をはじめとした様々な治療を行っていく中で、まずは進行が止まります。こうした治療を続けて行くと、ガンが眠る。そのうち、スーッと消えていくのです。

人はそれぞれ、最善策もそれぞれ

柳澤:ガン治療において、どの治療が最善かは患者さんの状態を実際、目の当たりにするまでわかりません。僕たち医師の第一の目標は「ガンの進行をとにかく止めること」です。そのために、手術を行うこともあるでしょう。抗がん剤治療を行う場合も少なくないでしょう。抗がん剤治療をしながら、栄養療法を取り入れる方もいるかもしれないし、ビタミンC点滴を続ける方もいるかもしれません。その方にとって、何が、もしくは何と何を組み合わせた治療を行うのが最善の方法なのか。

人それぞれ性格が違うように、一人ひとりに合った治療法があります。ここで再度強調しますが、どんな治療を行ったとしても、最終的にガンが眠ってくれることが大切です。私の考えとしては、どんな患者さんにも教科書もしくはマニュアル通りに治療を行うことはベストではないと思います。これまでの経験からも、統括的なアプローチの重要性から目を逸らすことはできません。

誰かの背中を押せたなら

Nosuke:そうした流れを今回、自分がガンと診断されて身を以て知りました。そして、「アメーバブログ」での発信を始めました。発信を始めたのは、“自由診療”とひと括りにされる治療法の正しい理解に少しでもつながればという思い、そして「選択肢が少なかった」自分の経験があったためです。

アメーバブログでは約2万人の方(2019年11月当時)がフォローして下さっていますが、当初は1日300万人もの方が訪れてくれたこともありました。このブログがきっかけで、“ガンのNosuke”というイメージが広まったと思っています。そして、ガンと告知された身、こうなったらガンを武器にするしかない、と考えました。ブログを通じて、自分と似た境遇で闘っている方の背中を押せたのなら、何か治療におけるヒントを得ていただけたのなら、これ以上のことはありません。