歯科で全身の状態を鑑みて栄養医学的観点からアプローチすることは、う蝕や歯周病に代表される口腔内の疾患のみを診察する対症療法的な従来の治療よりも多角的に全身の症状を把握して対処法を考えることができ、根本療法に近づく可能性を秘めた治療として、患者にとってメリットがあると思われます。
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【国際栄養医学シンポジウム2023 講演内容紹介⑤】歯科で栄養医学を導入するには
歯科において全身の症状を把握し栄養医学的観点からアプローチすることは、従来の対症療法的な治療よりも多角的な対処法を検討できる点で、患者にとってメリットがあると思われます。
しかし、皆保険制度が定着している日本では、歯科が単独で栄養医学的介入を行うことは難しいのが現状です。そのため、栄養医学に精通された医科の先生との連携が重要になると考えています。
学会当日は上記内容を踏まえ、歯科にできることと、歯科でやらなければいけないことについてお話しいたします。
歯科で栄養医学を導入するには
しかし、漠然とサプリメントだけを提供する、あるいは検査した後に適切な対処や指導が不十分で改善に向かわないとなると、歯科で栄養医学的治療を導入する意義が不透明になります。
また、歯科で栄養医学的観点から全身症状に貢献できることは何かを熟考しない限り、中途半端に続けても患者のニーズを満たすことはできません。医科でできて歯科にできないことと、歯科にできて医科にできないことをよく考えた上で、医科歯科連携を上手く構築して相互アプローチすることが賢明な時代になっていると思われます。
体の消化器官の一つである口腔は、食物を摂取する入り口であり、呼吸や会話をするためにも重要な器官で、「咬む」という機能が損なわれると身体の健康維持も損なわれかねません。そのような重要な役割を担う口腔の歯が喪失している、治療において重金属材料の補綴物(ほてつぶつ)で修復がされている、という点に対処していくことは、栄養医学的にも歯科に課せられた重要な役割であると思います。
当日は栄養医学的観点から歯科にできることと、歯科がやらなければいけないことについてお話しできればと考えております。
※北林 秀一先生の講演は、9/23(土)16:20より開始予定となっております。
※「国際栄養医学シンポジウム2023」に参加ご希望の方は、こちらよりお申し込み下さい。
※講演プログラムの演題は配信日時点のものとなります。当日変更となる場合がございますので、その点ご留意いただきますようお願い申し上げます。
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