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オーソモレキュラー的・夏の肌ケア

この記事の執筆者

スキンソリューションクリニック

肌の老化には、加齢による自然な老化である経年性の老化と、主に紫外線による光老化があります。紫外線は1年を通じて降り注いでいますが、夏がピーク。紫外線を浴びますと活性酸素が生じ、それによる酸化ストレスによりさまざまな生体反応が起こることで光老化をきたします。サンスクリーン剤の使用で、紫外線の吸収を予防することが最も重要ですが、それでも浴びてしまった紫外線の影響を残さない対策をしたいものです。

紫外線が肌に当たった後のその生体反応を最小限に抑えるためには、スキンケアのみならず体の中から整えることも重要です。すなわち美しく健康的な肌を保つには、健康的な食生活そしてそれだけでは補いきれない必要栄養素を補充することが役立ちます。それが「オーソモレキュラー的光老化予防対策」です。

日頃からの糖質制限で肌細胞のミトコンドリアを活性化、保護してダメージに強い体と肌を作り、抗酸化サプリメントの摂取で活性酸素から体と肌を守りましょう。そしてダメージを受けたコラーゲンを新しく再生させるための材料となるコラーゲン増生に必要な鉄、ビタミンCそしてタンパク質をたっぷり摂ることが大切です。

夏は特に「光老化」をもたらす紫外線への対策が重要

肌の老化には加齢による自然な老化である経年性の老化と、主に紫外線による光老化があります。紫外線は1年を通じて降り注いでいますが、夏がピーク。紫外線を浴びますと、活性酸素が生じ、それによる酸化ストレスによりさまざまな生体反応が起こり、光老化をきたします。サンスクリーン剤の使用で、紫外線の吸収を予防することが最も重要ですが、それでも浴びてしまった紫外線の影響を残さない対策をしたいものです。

食事やサプリメントでオーソモレキュラー的光老化予防対策を

紫外線が肌に当たった後、皮膚、生体内ではさまざまな反応が起こり、皮膚障害、光老化をきたします。その生体反応を最小限にとどめるためには、スキンケアのみならず、体の中から抑えることが重要です。すなわち美しく健康的な肌を保つには、健康的な食生活とそれだけでは補いきれない必要栄養素を補充することが役立ちます。それが「オーソモレキュラー的光老化予防対策」です。

紫外線による「光老化」のメカニズム

紫外線の照射により以下が生じると言われています。

①活性酸素(ROS)の産生
②細胞表面受容体の発現上昇
③サイトカインシグナリングの開始
④タンパク質の酸化
⑤ミトコンドリア損傷

①のROSは転写因子アクチベータータンパク質1(AP-1)および核転写因子NF-κBを誘導し、とくにNF-κBの活性化により炎症誘発性サイトカインであるIL-1β、TNFα、IL-6、IL-8等を増強して炎症を引き起こします。②と③では増殖因子やサイトカイン受容体を活性化し、AP-1を誘導してMMP遺伝子の発現が増強します。AP-1はⅠ型およびⅢ型皮膚コラーゲンを分解するMMP-1,3および9などのマトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)を増強します。

そのため繰り返し紫外線に当たることで、断片化された分解コラーゲンが蓄積し、皮膚のハリや弾力性が低下します。ハリや弾力を維持するためには、断片化されたこのコラーゲンを分解し、新たなコラーゲンを産生する必要がありますが、さらにAP-1は真皮におけるⅠ型およびⅢ型プロコラーゲン遺伝子発現を阻害するため、コラーゲン合成の減少が起こります。④の皮膚表面の酸化は、過酸化脂質や酸化タンパクが産生され、皮膚の透明度に影響します。⑤については、近年ミトコンドリアダメージによるROSレベルの上昇が皮膚老化を進行させるという報告が出ています。

「光老化」メカニズムに基づくオーソモレキュラー的スキンケア

上記①④の対策のポイントは、活性酸素に対する抗酸化力の強化です。抗酸化作用の高いサプリメントにはビタミンC、ビタミンE、レスベラトロール、アスタキサンチン、水素等があります。オーソモレキュラー医学的アプローチとしても、これらのサプリメントを摂取し、紫外線による酸化を抑えることが重要と言えます。次に②への対策ですが、コラーゲン増生にはコラーゲン生成の材料となるタンパク質、鉄そしてビタミンCが必要です。これらを十分に補充して新しいコラーゲン生成を助けたいものです。

最近ではプラセンタエキスのコラーゲン増生作用、そしてコラーゲンそのものの摂取もコラーゲン増生刺激を与えたり、血行改善効果等により肌の弾力が増し、シワの改善や保湿作用が高まると言われています。③について説明する際、まず改めてお伝えしたいのが自然環境下において最も強い皮膚炎症誘発因子は紫外線B波(UVB)であるということです。紫外線を浴びると、炎症性サイトカイン分泌により紅斑や浮腫を引き起こしますが、アスタキサンチンはこれらを有意に抑制できるとの報告があります。

⑤のミトコンドリアは、皮膚はもちろん全身の細胞内に存在し、エネルギー源を生み出す小器官です。ミトコンドリアが損傷すると、エネルギー代謝が悪化し、細胞死に誘導されます。ミトコンドリアを活性化させることで健康寿命も延びますが、皮膚を若々しく保つためにも重要な役割を担っています。このミトコンドリアの活性化に欠かせないのがケトン体です。ケトン体は、中性脂肪を原料にして肝臓で作られます。通常は食事で摂取した糖質を分解しエネルギー源としていますが、糖質制限をしますと体内の脂肪を分解しケトン体を生成します。前述のとおり、ケトン体はミトコンドリアを活性化させるので、糖質制限食はミトコンドリアの保護にもつながります。

まとめ

紫外線を浴びる夏は適切なサンスクリーン剤の使用が重要です。日頃からの糖質制限により肌細胞のミトコンドリアを活性化、保護しダメージに強い体と肌を作り、抗酸化サプリメントで活性酸素から体と肌を守りましょう。そしてダメージを受けたコラーゲンを新しく再生させるための材料となるコラーゲン増生に必要な鉄、ビタミンC、タンパク質をたっぷり摂りましょう。コラーゲン増生刺激を与えてくれるプラセンタエキスやコラーゲンの摂取もおすすめです。





<参考文献>

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  • 芋川玄爾:アスタキサンチンの活性酸素種除去作用非依存性紫外線誘導炎症、異常角化、色素沈着、シワ・タルミ関連シグナル抑制メカニズムー抗酸化剤のストレスシグナル抑制メカニズムの新局面.FRAGRANC JOURNAL :16-43,2018