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【国際栄養医学シンポジウム2023 講演内容紹介③】ブレインフォグの病態とその戦略

この記事の執筆者

桐生大学医療保健学部 栄養学科 人体構造機能学

現在、ブレインフォグを訴える方が多く存在する。昨今ウイルス感染症の後遺症においてブレインフォグを呈する方が多く見受けられたが、実際にブレインフォグについてはウイルス感染症のみならず環境因子も深く関わっていると考えられる。

本講演においては、ウイルス後遺症のブレインフォグのみならず環境因子から引き起こされるブレインフォグについても、症例および改善例を報告したい。

ブレインフォグの病態とその戦略

ブレインフォグとはその名の通り、脳に霧がかかったような状態が続き、睡眠の質の低下などQOLの低下に影響を及ぼす可能性が十分に考えられるため、その対策は急務である。

その原因としては、ウイルス感染後のサイトカインの過剰な放出であるサイトカインストームに起因するもの、ウイルスそのものがBlood Brain Barrier(B.B.B)を破壊し、脳内に侵入して症状を呈するものと考えられている。

アセチルコリンをはじめとする神経伝達物質の分泌・作用不足によって脳内での情報処理が追いつくことができず、これらの症状が呈すると考えられる。ブレインフォグの治療については不明な点が多いものの、以下の二点にアプローチすることでブレインフォグの改善につながるのではないかと予測される。

  1. 脳に対する血流量不足
  2. 脳に対する刺激

そこで、今回は脳の血流量を改善する物質としてイチョウ葉エキス、脳そのものに対する刺激を行うとされているプラズマローゲンを組み合わせたイチョウ葉エキス含有プラズマローゲンを用いて、ブレインフォグに対するアプローチを試みた。

この調査では新型コロナウイルス後遺症と診断された、もしくは新型コロナウイルス感染後にQOLが低下したと考えられる87名にアンケートへの回答を依頼し、同意を得た上でイチョウ葉エキス含有プラズマローゲンを摂取してもらった結果、ブレインフォグに加えて睡眠の質の改善も確認された。詳細については当日に説明を行う。





※川上 智史先生の講演は、9/24(日)11:00より開始予定となっております。
※「国際栄養医学シンポジウム2023」に参加ご希望の方は、こちらよりお申し込み下さい。
※講演プログラムの演題は配信日時点のものとなります。当日変更となる場合がございますので、その点ご留意いただきますようお願い申し上げます。

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