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健康対策は自分で選択できる社会を目指して〜WCHの取り組み〜

この記事の執筆者

鎌倉元気クリニック

一般社団法人日本オーソモレキュラー医学会 代表理事。鎌倉元気クリニック 名誉院長。 杏林大学医学部卒、同大学院修了。 医学博士。杏林大学保健学部救急救命学科教授を経て、2008年より国際統合医療教育 ... [続きを見る]

「ワールドカウンシル・フォー・ヘルス(以下WCHと記載)」は、テス・ローリー博士によって設立されました。WCHは科学的根拠に基づいた健康対策を提案しており、イベルメクチンの有効性を訴え、新型コロナワクチン接種キャンペーンの中止を求めています。

また、医療における矛盾点や製薬会社の影響力、中央集権的な医療システムに対して警戒心を抱き、統合医療や自然療法を支持しています。WCHは国際的な団結力を持ち、日本でも支部の設立が進められています。そして、この活動によって世界をより良い方向に導くことを目指します。

テス・ローリー博士

ローリー博士は、南アフリカのヨハネスブルグにあるウィットウォーターズランド大学医学部を卒業後、産婦人科医としてキャリアを積んできました。2009年、英国王立産科婦人科学会専門医の資格を得て英国に移住し、エビデンスに基づく医学調査と政策を提言するコンサルティング会社を設立します。

<写真1>WCH代表 テス・ローリー博士


そこでローリー博士は10年以上にわたり、WHO(世界保健機関)の外部コンサルタントとしてシステマティックレビューの実施やランダム化試験の設計、さらにはWHOが推奨する様々なガイドラインの提言など多くの実績を挙げています。また、現在までに査読付きジャーナルで80以上の論文を発表しています。

イベルメクチンの評価を巡る論争

ローリー博士は新型コロナウイルスに対するイベルメクチンの有効性について、利害関係のない立場で評価するようWHOより依頼されました。

ローリー博士はWHOコンサルタントのH博士ら研究者と過去の様々な論文を解析し、「科学的に明らかにイベルメクチンは新型コロナウイルスから多くの人々の命を救える可能性がある」という結論に至ります。そして、この結論をWHOに提言するための論文をH博士が執筆することになっていました。

ところが、彼は他の研究チームメンバーに告げることなく「イベルメクチンをコロナ感染の治療に使用するには十分なエビデンスがない」と結論付けた論文を発表したのです。この結果、WHOは「新型コロナの治療にイベルメクチンを推奨しない」と発表し、世界中がこれに倣いました。

ローリー博士は即刻H博士に抗議しましたが、彼は論文の結論を変えることを拒否しました。このH博士の不可解な態度ですが、論文発表の少し前に同博士の所属するリバプール大学に、とある国際機関から4千万ドル(約55億円)の寄付が行われたこと、そしてこの論文の不可解な結論に同機関が関与していたこともH博士がローリー博士に告げていました。

この機関はWHOに関係する国際機関ですが、民間の利益相反のある会社が財団の資金を出しています。ローリー博士とH博士の話し合いや、一連の流れについてはWCHのウェブサイトで公開されているので、関心のある方はご覧いただければと思います。

「このままではいけない」危機感から誕生した「ワールドカウンシル・フォー・ヘルス(WCH)」

ローリー博士は、WHOが展開する新型コロナ戦略が科学的エビデンスに基づくものではなく、むしろ巨大な製薬会社の利益のために人々の健康や自由、主権が侵されていることを危険視し、2021年9月に非営利団体「ワールドカウンシル・フォー・ヘルス(WCH)」を立ち上げました(図)。

<図1>ワールドカウンシル・フォー・ヘルスのロゴ


WCHのスローガンは“A Better Way(もっと良い方法がある)”です。現代の健康を取り巻く環境はあまりにも不自然であり、もっと良い方法があると提言しています。

現代の健康・医学における矛盾と問題点

WCHの活動目的は、健康と医学にはびこる大きな矛盾と問題を正しい方向へ導くことにあり、その矛盾と問題は以下の通りです。

  1. 現在の医療サービスは病気と薬を主としていて、ホリスティックで統合的な医療は無視されていること。
  2. 大手製薬会社が医学研究を支配し、悪質な科学と医学雑誌の腐敗を招いていること。
  3. WHOと世界経済フォーラム、健康と主権を損なう法的拘束力のある中央集権医療システム「ワンヘルス」を推進していること。
  4. 新型コロナによるパンデミックは人為的な面があり、新型コロナワクチンは予想を超える健康被害を引き起こしていること。
  5. 透明性および説明責任を果たさないまま環境汚染が進行していること。
  6. 人と地球の幸福よりも利益を優先していること。

WCHは非常にバランスが取れた組織です。というのも、“闘う”のではなく、より良い方法があることを伝え、国や人々を導くことを目指しているためです。「もっと良い方法があるよ!」という視点からイベルメクチンを推奨し、ワクチン接種キャンペーンの中止を求めています。

また、統合医療、伝統医療、自然療法や有機農法を推奨し、遺伝子治療や5Gなどのテクノロジーに対しては慎重な姿勢を示しています。

現在、WCHは世界中で190の草の根運動グループ、45の組織が加わっており、国際的な組織の結束で無視できないほどの大きなうねりになってきています。なお、日本オーソモレキュラー医学会はWCHに参加、国際オーソモレキュラー医学会もWCHを支援しています。

WCH日本支部の設立

WCHの2023年の新しい活動指針は、各国に独立した支部「カントリーカウンシル」を設立することでした。すでにフィリピンが第1号のカントリーカウンシルを設立し、その後には南アフリカ共和国が続いています。ローリー博士から「日本でも是非カントリーカウンシルを設立してほしい」という要請を受け、現在日本におけるカントリーカウンシルの設立を準備している状況です。

世界を、より良い世界に」というこの活動は、日本人の感性にもとても合っていると感じます。2023年5月に日本支部を設立し、6月6日にイギリス・バース市で開催されるカウンシルの世界大会には日本支部の代表が出席予定となっています。

まさに現在進行形で動き始めているWCHと各支部ですが、こうした取り組みがあることを日本の皆様にも知っていただきたく、今回このような記事としてご紹介しました。一連の取り組みについて賛同される方々におかれましては、是非見守っていただければ幸いです。

<写真2>日本のカントリーカウンシル設立について話し合うローリー博士と筆者



<参考ウェブサイト>

https://worldcouncilforhealth.org(World Council For Health)

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