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白金パラジウムによる間質性肺炎の新しい治療法の開発~改善例、研究例と関連させて~第四報:間質性肺炎とCOPD

この記事の執筆者

桐生大学医療保健学部 栄養学科 人体構造機能学

白金パラジウムは抗酸化力に特に優れている。そこに着目を行い、活性酸素が原因とされる各種疾患について研究を行いました。その結果間質性肺炎やCOPD(慢性閉塞性肺疾患)にも効果があることが分かりました。今回から数回に分けて症例やそのメカニズムについて解説を行います。

今回は基本として間質性肺炎とCOPDの病態について解説します。

間質性肺炎とは

間質性肺炎は肺の間質を中心に炎症が起こる疾患の総称です。肺胞は大きく実質と間質に分けられ、肺胞の中を実質、肺胞の壁や周囲の組織を間質といい、この間質に炎症性変化を生じた場合に間質性肺炎と呼んでいます。

間質性肺炎は原因が特定できるものとして“自己免疫性間質性肺炎”、“職業環境性間質性肺炎”、“医原性間質性肺炎” があり、原因が特定できないものを“特発性間質性肺炎”としています。また、間質性肺炎は2013年のATS/ERSによる分類において、

1) Major IIPs:主要間質性肺炎

  1. Idiopathic pulmonary fibrosis (IPF): 特発性肺線維症
  2. Idiopathic nonspecific interstitial pneumonia (idiopathic NSIP):非特異性間質性肺炎
  3. Respiratory bronchiolitis interstitial lung disease (RB-ILD):呼吸細気管支炎間質性肺炎
  4. Desquamative interstitial pneumonia (DIP):剥離性間質性肺炎
  5. Cryptogenic organizing pneumonia (COP):特発性器質化肺炎
  6. Acute interstitial pneumonia (AIP):急性間質性肺炎

2) Rare IIPs:稀少間質性肺炎

  1. Idiopathic lymphoid interstitial pneumonia (LIP):リンパ球性間質性肺炎
  2. Idiopathic pleuroparenchymal fibroelastosis (PPFE):特発性胸膜肺実質線維弾性症

3) Unclassifiable:分類不能

  1. Unclassifiable IIPs:分類不能型特発性間質性肺炎

の9分類とされています。

本研究ではIdiopathic pulmonary fibrosis (IPF)の患者を対象として、新しい治療法の可能性について検討を加えました。間質性肺炎では、炎症によって徐々に肺胞壁が線維化し、肺サーファクタント蛋白-D(SP-D)が上昇します。肺胞機能が低下することで、吸気によって酸素を取り入れることが困難となるために、息苦しさや咳き込むと言った呼吸器症状が確認され、最終的には呼吸不全に陥る可能性も指摘されています。現在のところ、有効な治療法はなく対症療法として間質性肺疾患に対する免疫抑制剤等を用いるのみです。

COPD(慢性閉塞性肺疾患)とは

一方、COPD(Chronic Obstructive Pulmonary Disease)は、慢性呼吸器疾患の一種であり、肺胞の破壊や炎症を惹起することで、息切れ等の呼吸器症状を呈し、不可逆的に進行する慢性疾患です。COPDの多くは喫煙が最大のリスク要因となるが、その他の環境汚染等によっても引き起こされる可能性が示唆されています。

COPDに対しては間質性肺炎同様、有効な治療方法が確立されておらず、保存療法において酸素吸入やQOLの維持・増進を行うしかないとされています。疫学的には2030年までにWHOが予測した内容として、世界の死因第3位になるとも言われています。

またCOPDは疫学的な調査において肺がんの罹患リスクが高いことも示唆されています。これまでCOPDに対しては禁煙、抗酸化物質、食事療法、代替療法が中心とされていましたが、これらは進行を遅らせることを目的としてきました。我々の臨床経験では、COPDの患者への白金パラジウムを投与で約40~50%の患者において自覚症状等の改善傾向がみられています。

まとめ

今回は間質性肺炎とCOPDの分類及び病態について解説を行いました。高齢社会を迎える中で特に間質性肺炎が増えてくる、また1980年代には喫煙率も男性の場合80%を超えていたことから、今になってCOPDの患者さんが増えてくると予測されます。呼吸器系の医薬品は他臓器の疾患に比べ少なく、著効率も高くないと言えるため、このようにオーソモレキュラーの観点から治療を行っていく必要性があります。

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