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「食の多様化」に対応したレストラン

生きていく上で欠かせない食事。「あぁ、この牛肉はワインと相性抜群だ!」「ここのお店の野菜シャキシャキしてるわ」
といった具合で、おいしい食事が日々の活力になっている方、かなりの割合でいらっしゃるのではないかと思います。

突然ですが、これから言う状況を想像してみてください。

あなたたちは、社内にて忘年会のお店を決めるために話し合っています。
すると積極的な若手社員T君:「1年の締め、やっぱりガッツリ肉食べたいです!」
間髪入れず女性社員Kさん「あらやだ、私、お肉食べない主義なのよねぇ」
続いて来日2年目社員Aさん「グルテン、ダメ」
Y課長「・・・」

そんなこんなでお店選びが難航してしまいます。きっと、心の中でこう思う方が何人もいることでしょう。
「忘年会シーズンはどこも混むんだから早く決めないと・・・うーん。困ったな」

 

食の多様化に対応したレストラン


前振りが長くなりました。
先日表参道にあるレストラン「GENTLE」に伺ったのですが、こちらのお店、一言で言うならば「T君もKさんもAさんもY課長も、一つのテーブルを囲んで各々が食べたい“食材”を楽しめるレストラン」です。

今回は、前菜(一人ひとりワゴンから好きな前菜を選べます)から始まり、

(海老がプリップリです!)

キヌアのリゾット。キヌア特有の食感が楽しめます。

ラム。
羊肉独特の臭みがないので、何の肉を食べているのかわからないかもしれません。いえ、そんなことはありませんね。私は私、ラムはラムです。背筋がゾッとした方、それはきっと冬のせいです。



そして食後のデザート。こちらもデザートワゴンの中から気になったものをチョイス。

ブルーベリー(ヴィーガン)チーズケーキです。口に入れた瞬間、少しひんやり。
アイスとケーキの両側面を持つ新しいデザート。のように感じました。何て優しい味なのでしょう。
ヴィーガンでこのなめらかさを再現できるのは圧巻です。


ここまで料理の写真を載せてきましたが、その他にもジビエ料理から魚介類まで様々な種類がありました。
こだわり抜いた食材に、どんな食習慣の方でも楽しめるメニュー。

例えば、野菜は有機栽培野菜。牛肉はオーガニックビーフ。グルテンフリーのパスタも用意されています。
スイーツ女子の味方“ギルトフリースイーツ”だってあります。(ちなみに、店内はハイセンスでありながらも落ち着いた空間なので、そういった意味でも女子会に最適かと思います)

ヴィーガン・ベジタリアンの方にも対応できるこうしたお店は、日本ではまだそれほど多くないように思います。
海外からの観光客が増加している中、こうしたレストランの需要は今後さらに拡大していくのでは?と確信しています。

加藤 俊之シェフに聞いてみました!

後日、コラムにせっかく掲載するなら私の食レポだけでなく、シェフの声も聞きたい!と加藤 俊之シェフにコンタクトを取ったところ「いつでも電話して!」とのありがたいお返事。それでは、と質問させていただきました。

 

安心安全の提供、そして食文化の垣根を越えたひと時を


-GENTLEさんのこだわり・特徴について改めてお聞かせください。

加藤シェフ:大きく分けて2つあります。
1つ目は、オーガニック食材をベースに「安心・安全」を提供していること。この安心・安全の中には、例えば自然の中で栄養豊富なエサを与えられ育った牛であったり、国内で作られた旬の食材などが含まれます。

<写真>表参道GENTLE/前菜ワゴン


2つ目は、ヴィーガン、グルテンフリー、糖質フリーをはじめ、あらゆるアレルギーに対応することで、どなたにも気軽に足を運んでもらえるレストランであること。また、前菜とデザートは何種類も用意しているので、お一人おひとりに気になったメニューを選んでいただきます。苦手な食材があったりアレルギーをお持ちの方にも自分だけのオリジナル・プレートを楽しんでほしいですね。

 

シェフのおすすめはズバリ!「ヴィーガンメニュー」


-次に、これは私自身思ったことですが、前菜だけでも豊富なメニューが揃えられていますよね。そこで、来店した方にシェフご自身が「まずはこれを注文してほしい」というメニュー、そしてその理由を教えてください。

加藤シェフ:はい、ヴィーガンのメニューですね。(即答)

<写真>ヴィーガンハンバーグ

世間では“ヴィーガン”というと「おいしくない」イメージが浸透しているように思います。実際に「おいしい!!」と言ってもらえるヴィーガン料理を作るのは、とても難しいことなんです。そして同時に、そんなヴィーガンだからこそ表現できるおいしさがあると考えました。ですが、“動物性を排除”するだけで表現できるほど単純なものではありません。その後、試行錯誤を繰り返しやっと自分自身が納得のいくメニューを編み出すことができました。

-現在のヴィーガンメニューが完成するまでにどれくらいかかったのですか?

加藤シェフ:5年かかりました。これまで様々な料理を作ってきましたが、全く比較できない難易度ですね。ヴィーガンを極めるというのは、本当に大変なことです。

-「シェフの並々ならぬ努力の末に生まれたメニュー」がヴィーガンメニューなのですね!




以上です。いかがでしたでしょうか。

ここだけの話、2つ目の質問=おすすめメニューに関しては、シェフが返答に迷うだろうなと期待・・・ではなく予想していました。(困らせようとした訳ではありません)だって、私のような素人目線でもこだわりにこだわり抜かれたメニューばかりでしたから。その期待をいい意味で即座に裏切ってくださった加藤シェフ。

次回お店に伺った時は絶対にヴィーガンメニューをいただこう、と心に決めた12月半ばでした。



それでは今回はこれにて。

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